20160807 山粼ワイナリー訪問 初めてのぶどう畑探索

この日は、札幌で所要があったため、その帰りにと思い、山粼ワイナリーの山粼太地さんにご連絡して、ぶどう畑を見学させていただきました。
調度ワイナリーに行く坂道を曲がろうとした時に、前方に走る車がいて、誰あろう、太地さんでした!
今回は、下の写真に見える、南向きのメイン圃場をじっくりと見せていただきました。

この写真の右から左方向、方角でいうと、写真の奥側が北で、東から西方向にずーっと歩いて見せていただきました。


東側からぶどう畑に入って、西側を向いてみると、ま〜広い!
このぶどう樹たちは、南北方向に植えられていて、常時南北の風が吹いているため、とても風の通りが良いんだそうです。
 

まずは、比較的新しい樹齢6年目くらいのシャルドネです。
自分の見た目には、樹の成長もよさそうにみえます。しかし、伺ってみると、やはり今年は6月の悪天候が影響して、どのぶどうも出来はよくないそうです。太地さんが栽培に従事してから、もしかしたら、一番ひどいかもとおっしゃっていました。

それでも、ぶどうの実はしっかりとしていて、むしろ房の間隙も開いていて、うまく花振るいしているともおっしゃっていました。
 

つづいてピノ・グリ。

いまのところ、大きな病気もなく果実も、もりもりとしています。
花カスは南北の風のために、なにもしなくても綺麗に落ちてしまうと言っていました。
 

ソービニヨン・ブラン
山粼ワイナリーのぶどう畑は垣根の間の雑草はしっかりと刈っていて、ぶどう樹の周りはもこもこと雑草が育っています。この側の枯れ草の部分は、真ん中の雑草刈りの草をこの部分に巻くように草刈りをするんだそうです。刈って3日目くらいの状態が写真で、こうやって堆肥状態になります。


今年はすでに、早い時期に摘葉しているとおっしゃっていました。
おいしそうなブドウ果実。


お忙しい中、ぶどう畑を案内していただき、詳しく解説してくださった山崎太地さん。
いま、ちょうど夏シリーズの出荷もあり、きっと寝てないんだと思います。ほんとありがとうございます。
 



ここは樹齢13年くらいのシャルドネだったかな?
 

垣根の支柱のところどころに、鳥の巣箱があります。これがなぜ付いているか。ちゃんと意味があるんです。


ほんと広い畑です!
三笠は雪が多いために、凍害は全然心配ないとおっしゃっていました。
 

ピノ・ノワール
植えているピノ・ノワールは、ドイツ系(シュペートブルグンダー)、ディジョン系(777等)、スイスクローン、オーストラリアクローン(MV-6)を植えているとおっしゃっていました。


ピノは、今年みたいな熱さだと逆に弱いそうで、この時期ではまだ摘葉しないんだそうです。葉で日光に当たらないようにして暑さから守ってやるんだそうです。


ぶどうの樹の下に、機械発見!
これは国の研究機関と共同研究をやっているための機械で、地層の水分量とかが分かるんだそうです。こういうデータも使って、いまどのくらいの部分の水を吸っているんだろうとかを推定し、どのくらいの時期に雑草を刈るとか決めるときのデータにするんだそうです。
まさに科学的根拠に基づくぶどう栽培。

この奥にはこんな機械があって、これは、雨量や気温や、結露状態といったデータを逐一測定するものだそうです。こういうデータが、太地さんのところに一定間隔で飛んで来るんだそうです。
まさにハイテクぶどう栽培!
 

メルロー(だったかな?)

房がふさふさ(笑)
この後、摘房していくんだそうです。ブドウが100なったらそれを60にすると、いいぶどうができるのであって、作柄がよくなくていつもの60になってしまった場合、やはりそれはいいぶどうにはならない、と教えてくれました。
 

さらに西側にすすんでいったところのひまわり畑。ここは今後新たにぶどう畑にするための準備をしている場所です。
 

お考えがあって、ほとんど手を付けていない、ある意味自然のままになっているケルナー。
ここらへんはだいぶ昔の時期に植えた樹で、けっこうほっといてもしっかりと身をつけてくれるんだそうです。
 

ここは、今年、ピノ・ノワールシャルドネを植えた、もともとケルナーを植えていた場所です。ここは、土壌的には化石層で、結構簡単に化石が出てくるそうです。ショップの方にその化石が飾ってあると言っていましたが、見てくるの忘れました(笑)

こんな感じの柔らかい石ころがゴロゴロしています。簡単に手で割れるんです。われたところに化石が見えたりするんだそうです。これが、石灰ににていて、この石で支柱にチョークみたいに字書けました。
 

ここにも鳥の巣箱が!
実は、これ、地層の変わり目の所ごとに、支柱に鳥の巣箱をつけているんだそうです。
砂地からシルト層、化石層といろいろな地層があって、その境が、巣箱で目印になっているということでした。たしか、ここの斜面のぶどう畑は地層が逆Uの字見たくなっていて、場所場所でいろんな地層が出てくる、みたいなことだったと思います。


樹齢17年のピノ・ノワール

房の様子。
 

ワイナリー創設期に作られた看板。かっこいいですね。Pinot Noir 1999

Merlot 2001の看板。
 

ツヴァイゲルトレーベ

ツヴァイは、あまり手をかけないで自然にしておいたほうがいいぶどうが取れる、と言っていたような・・・


分かる人には分かるところ。
まだまだ小さいですが、数年後には、綺麗な景観になるはずです!
 

また、東側にもどってきて、植えて2年目のピノ・グリの畑です。
ここはまた凄い土層のところです。

ぶどうってよく実がなるまでに3年とか言われていますが、2年で実がつくんだそうです。

こんな、でっかい石が、そこら中にゴロゴロあるんだそうです。そいつらは出てきたらこうやって表に出してやるんだそうです。真ん中に脚いれてみましたが、ずぼっと埋まりました(笑)


この垣根の長さは端から端まで約150mだそうです。向こう側の小高い丘の上にワイナリーのショップが見えます。ま〜でかい畑です!


これは、樹根といって、ぶどう樹から根っこのようなものがでています。おそらく、水分を欲しがってこういうのが出てくるんだろう、という話でした。これを土に植えても根はつかないそうです。
 

さて、そろそろ畑を失礼しようかというところ、つまりここの畑の入口近くの部分には、リースリングが植わっています。
リースリング、どうです?とお聞きすると、「いいですねぇ〜!!」と力強いお言葉が帰ってきました!!
 
いや~実に楽しかったです。色んな話を聴くことができました。そのうちの10分の1も理解していませんが、ほんとうに勉強になりました。
 

逆光のショップエントランス

山粼ワイナリー表札
 

本日お伺いしたもう一つの目的。
それは、ショップ限定のChardonnay Private Reserve 2014を購入することでした。
ある方は、「これは、日本のコルトン・シャルルマーニュだ!」とまで言われるワイン。
開けるのが楽しみです。
 

いつものショップの南側のぶどう畑(ソーヴィニヨン・ブランだったっけな)
今日もウサギちゃんはいませんでした。
 
実に楽しい一日でした。
山崎太地さん、奥様、ありがとうございました。