Romanee-Conti 1982

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セパージュ:ピノ・ノワール
パリ・ドゴール空港にて購入

抜栓日:2021年2月20日
栓:天然コルク。途中までうまく抜けたのに、最後の最後でやっちまいました。幸いにしてコルクを下に落とすことなくすみました。
液漏れ:あったんじゃないかと・・・ちょっとわからんです
グラス:リーデルのソムリエシリーズ、ブルゴーニュを初めて使ってみました

色:結構薄めのガーネット。というより、ほぼ煉瓦色と言ったほうがいいかも。濁りなしですが、最後に降り混ざってにごりました。
エッジ:うす~い(笑)
脚:けっこうしっかりとした脚が見られます。グリセリン的な雫
アルコール度数:不明(エチケットに書いてない)

香り:抜栓したあと、ん?シェリー?って感じで酸化的ニュアンスが支配的でした。なのでしばらく、抜栓しておいておきました。その後、きのこ、ドライいちじく、昆布だし的なニュアンスのいわゆる熟成香が感じられます。香りは、物の本に書いてあるように、どんどん湧き出てくるという感じではありませんが、それでも、お、これ39年も経ってるの? あんまりそんな感じしないね?という雰囲気。奥の方にはほのかにベリー系のニュアンスも残っています。薄口醤油のニュアンスがあって、カラメルソースの香りも。このへんはやっぱり経時的変化による酸化のニュアンスによるのでしょう。徐々に腐葉土的な香り、椎茸のようなきのこ香。けっこう時間が経過しても香りがさほど衰えませんね。たとえ、フェイクだとしてもこうやって楽しませてくれるのはいいことです。オレンジピールのニュアンスも少し出てきました。ただ、ブラインドで香りを見たときに、「あ、これロマコンだね」とかは全く言えません(笑)でも、エチケット見て香りを感じているから、もう、どことなくエレガントな、エロティックな雰囲気がにじみ出てくるんだよな~。

タンニン:収斂性はありませんが、そこそこパワーを感じるタンニン。若干折りも混ざったせいも在るかもしれません。でも、一つの骨格を形成しているのは確かです

味わい:一口目、カラメル、やや焦げた印象が支配的。そんな中にも比較的しっかりとした酸が感じられます。若干苦味があって、口の中でいちじくの味わいがどーんと広がり、そのあと酸化の要素が上顎に残ります。液質自体は球形。非常にバランスの取れた球状のまろやかさ。ただ、枯れただけの液体ではない、色んな要素がバランスよく詰まっている感じです。わるくいうと、薄ウマ系の軽くて飲みやすいワイン。このどこに39年があるのか?という感じさえします。基本、かなり熟成したピノ・ノワールです。味わいも、ブラインドで飲んだら、「ほう、うまく熟成したピノだね」くらいにしか感想が出ないと思います。たぶん、これがブランドを飲むということなんでしょう。さらに時間が経ってくると酸が前面に主張してきました。でも、5人で飲みましたが、異口同音に、「なんかよくわからんけど、すごく飲みやすくて美味しいワインだ」と言っていました。
きっとこの究極のワインというのはそういうものなのでしょう。

82年というのはブルゴーニュにとって、かなり不作の年でした。そのへんは色合いからも出ていると思います。購入した当初から色が薄めで「これ、大丈夫かな?」ってずっと思っていました。
でも、日本で買うよりもかなり格安の買い物で、ま、フェイクでも思い出としていいやと思って買ったので、今日飲んでみてまったく後悔はありません。
本物だったら、市場価格200万円以上になると思います(笑)
念の為、日本のワイン界の第一人者、堀賢一さんに、ラベルなどから鑑定をお願いしました。結果、たぶん本物でしょう、という御返事をいただきました。お気を使われての回答だったかもしれませんが、そのお言葉をいただけただけでも幸せです。
大変貴重な経験をさせていただきました。